登録販売者 2025年 中国・四国 問68
問題文
鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢
1:延髄の咳嗽中枢に作用するジヒドロコデインリン酸塩は、その作用本体であるジヒドロコデインがモルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であるため、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
2:自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させるジプロフィリンは、中枢神経系を興奮させるため、甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがある。
3:カンゾウは、グリチルリチン酸による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液分泌を促す等の作用も期待される。
4:交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示すトリメトキノール塩酸塩水和物は、中枢神経系に対する作用が強く、依存性がある成分であることに留意する必要がある。(正解)
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鎮咳去痰薬の配合成分【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:トリメトキノールは気管支拡張成分ですが、中枢神経系への強い作用や依存性がある成分として挙げられているのは、メチルエフェドリン類とマオウです。
誤っているのは4です。手引き第3章「主な医薬品とその作用」の鎮咳去痰薬の配合成分に関する内容です。厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」では、トリメトキノール塩酸塩水和物は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる成分として説明されています。一方、中枢神経系への作用が他の成分に比べて強く、依存性に留意する成分として挙げられているのは、メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウです。
したがって、4は気管支を拡張させる作用と、別の成分についての中枢神経系への強い作用・依存性を取り違えています。記述1〜3は手引きの内容に沿っています。
解法ステップ
- 「トリメトキノール塩酸塩水和物」は、交感神経系を刺激するアドレナリン作動成分だと確認します。
- 次に、「中枢神経系に対する作用が強い」「依存性がある」という説明が、どの成分に結び付いているかを見ます。
- 手引きでこの注意が示されている成分と、記述中のトリメトキノールを区別します。
- 成分名の組み合わせが違う4が、誤っている記述だと判断できます。
選択肢別の誤答解説
-
1:正しい記述です。
ジヒドロコデインリン酸塩は、延髄(えんずい)の咳嗽(がいそう)中枢に作用する鎮咳成分です。作用本体のジヒドロコデインは、モルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分として説明されています。 -
2:正しい記述です。
ジプロフィリンはキサンチン系成分です。自律神経系を介さず、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させます。また、中枢神経系を興奮させる作用があり、甲状腺機能障害やてんかんの診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあるとされています。 -
3:正しい記述です。
カンゾウには、グリチルリチン酸による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液分泌を促す作用も期待されます。 -
4:誤った記述です。
×(トリメトキノール塩酸塩水和物は中枢神経系への作用が強く、依存性がある)→ ○(中枢神経系への作用が他の成分に比べ強く、依存性に留意する成分として挙げられているのは、メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウです)
トリメトキノール塩酸塩水和物は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる成分です。気管支拡張成分であることだけを手掛かりに、依存性についての注意まで当てはめないようにしましょう。
よくある誤解
- 「気管支拡張成分なら、どれも依存性がある」と考える誤りです。作用が似ていても、依存性に関する注意は成分ごとに確認します。
- 作用の分類と注意事項を一緒に暗記して、成分名を入れ替えてしまう誤りです。「トリメトキノール」と「メチルエフェドリン類」を区別してください。
- 「中枢神経系を興奮させる」と「中枢神経系への作用が強く、依存性がある」を同じ説明だと扱う誤りです。ジプロフィリンの中枢神経系への作用は、甲状腺機能障害やてんかんへの注意として示されています。
補足コラム
アドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させます。鎮咳去痰薬では、メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、トリメトキノール塩酸塩水和物、メトキシフェナミン塩酸塩などが挙げられています。
一方、手引きでは、中枢神経系への作用が他の成分に比べて強く、依存性に留意する成分として、メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウを挙げています。同じ気管支拡張に関わる成分でも、依存性の注意が示される成分を個別に覚えるのがポイントです。
FAQ
「麻薬性鎮咳成分」という呼び方は、どの成分にも使われますか?
いいえ。手引きでは、コデインやジヒドロコデインのように依存性がある鎮咳成分を「麻薬性鎮咳成分」と呼び、ノスカピンなどを「非麻薬性鎮咳成分」と呼んでいます。
いいえ。手引きでは、コデインやジヒドロコデインのように依存性がある鎮咳成分を「麻薬性鎮咳成分」と呼び、ノスカピンなどを「非麻薬性鎮咳成分」と呼んでいます。
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