登録販売者 2025年 中国・四国 問76
問題文
胃腸鎮痛鎮痙薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 高齢者では排尿困難や緑内障を基礎疾患として有することが多いため、胃痛を鎮める目的などでメチルベナクチジウム臭化物が配合されている場合、使用の適否を十分考慮する必要がある。
b 胃腸の痙攣を鎮めるパパベリン塩酸塩が配合されている場合、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないため、緑内障の診断を受けた人でも問題なく使用できる。
c 原因不明の痛みが30分以上続く腹痛の場合、基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要であるが、医師の診療を受けるまでに一般用医薬品の胃腸鎮痛鎮痙薬を使用することで、痛みの発生部位が明確となり、原因の特定が容易になる。
d 下痢に伴う腹痛については、基本的に下痢への対処が優先され、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状ではない。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、d)(正解)
3:(b、c)
4:(b、d)
5:(c、d)
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胃腸鎮痛鎮痙薬の注意点【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:メチルベナクチジウム臭化物は高齢者で慎重に使用し、パパベリン塩酸塩も緑内障への注意が必要です。
正しい組み合わせは2(a、d)です。aとdは正しく、bとcは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の胃腸鎮痛鎮痙薬に関する項目です。
解法ステップ
- aの「高齢者」「排尿困難(はいにょうこんなん)や緑内障(りょくないしょう)」を確認します。抗コリン成分の注意点と合うかが判断のポイントです。
- bは「自律神経系を介した作用ではない」だけで結論を出さず、続く「緑内障でも問題なく使用できる」に注目します。
- cは「痛みの発生部位が明確になる」という部分に注目します。胃腸鎮痛鎮痙薬の使用で、原因の特定が容易になるのかを見ます。
- dの「下痢に伴う腹痛」と「下痢への対処が優先」を確認し、正しい記述の組み合わせを選びます。
選択肢別の誤答解説
a 正しい
メチルベナクチジウム臭化物は、抗コリン成分(副交感神経の働きを抑える成分)です。高齢者では排尿困難や緑内障の基礎疾患がある場合が多いため、使用前に適否を十分に考慮する必要があります。なお、ここで問われているのは高齢者への注意であり、すべての高齢者に一律に使用できないという意味ではありません。
b 誤り
×「緑内障の診断を受けた人でも問題なく使用できる」→ ○「使用前に適否について医師又は薬剤師に相談」
パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて、胃腸の痙攣(けいれん)を鎮める成分です。自律神経系を介した作用ではありませんが、眼圧(がんあつ)を上昇させる作用が知られています。そのため、緑内障の診断を受けた人が「問題なく使用できる」とは言えません。
c 誤り
×「痛みの発生部位が明確となり、原因の特定が容易になる」→ ○「痛みの発生部位が不明確となり、原因の特定を困難にすることがある」
原因不明の腹痛に胃腸鎮痛鎮痙薬を使うと、痛みの発生部位が不明確になり、原因の特定を難しくすることがあります。痛みを抑えることで、原因を調べる手がかりが分かりにくくなる場合があるためです。
d 正しい
下痢に伴う腹痛では、基本的に下痢への対処が優先されます。胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状ではない、という記述は正しいです。
各選択肢の組み合わせ
- 1(a、b):aは正しいですが、bは誤りです。また、正しいdを含んでいません。
- 3(b、c):bとcはいずれも誤りです。正しいaとdを含んでいません。
- 4(b、d):dは正しいですが、bは誤りです。また、正しいaを含んでいません。
- 5(c、d):dは正しいですが、cは誤りです。また、正しいaを含んでいません。
よくある誤解
- パパベリン塩酸塩は自律神経系を介さないため、緑内障にも問題ないと思い込むことがあります。作用の経路と、眼圧への影響は分けて覚えましょう。
- 腹痛を鎮めれば原因を調べやすくなる、と考えがちです。原因不明の痛みでは、薬の使用により発生部位が不明確になることがあります。
- 下痢に伴う腹痛にも、胃腸鎮痛鎮痙薬を使うと考えてしまうことがあります。この場合は、まず下痢への対処が優先されます。
補足コラム
抗コリン成分は、胃腸鎮痛鎮痙薬だけでなく、かぜ薬や乗物酔い防止薬などに配合されている場合もあります。抗コリン作用を持つ成分を含む医薬品どうしを併用すると、副作用が現れやすくなることがあるため、胃腸鎮痛鎮痙薬の使用中は、ほかの胃腸鎮痛鎮痙薬の使用を避けることとされています。
FAQ
パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と何が違いますか?
消化管の平滑筋に直接働く点が異なります。ただし、自律神経系を介さないことは、緑内障への注意が不要という意味ではありません。
消化管の平滑筋に直接働く点が異なります。ただし、自律神経系を介さないことは、緑内障への注意が不要という意味ではありません。
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