登録販売者 2025年 中国・四国 問89
問題文
皮膚に用いられる殺菌消毒薬及びその配合成分のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a ベンザルコニウム塩化物は、石けんとの混合によって殺菌消毒効果が高まるので、石けんと併用して用いられることが多い。
b 創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、皮膚常在菌が殺菌されてしまい、また、殺菌消毒成分により組織修復が妨げられて、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させることがある。
c ヨウ素系殺菌消毒成分は、一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
d アクリノールは、比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(b、c)
4:(b、d)(正解)
5:(c、d)
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皮膚用殺菌消毒成分【登録販売者解説】
正解の理由
石けんはベンザルコニウム塩化物の効果を弱め、創傷部への繰り返し使用は治癒を妨げることがあります。
選択肢では、4の「b・d」の組み合わせが正しいです。各記述は、a:誤り、b:正しい、c:誤り、d:正しいです。根拠は『試験問題の作成に関する手引き(令和7年4月一部改訂)』第3章「主な医薬品とその作用」の、皮膚に用いる殺菌消毒薬と創傷部の取扱いに関する項目です。
解法ステップ
- aは「石けんとの混合で効果が高まる」という箇所に注目します。殺菌消毒効果が高まるのか、低下するのかを確認します。
- bは「皮膚常在菌(皮膚に通常すんでいる菌)」「組織修復(傷ついた組織が回復すること)」への影響が書かれています。繰り返し使用したときの注意を確認します。
- cは「結核菌やウイルスに対する作用はない」という断定に注目します。ヨウ素系成分の作用範囲と照らします。
- dはアクリノールの刺激性と、傷にしみやすいかどうかを確認します。正しい記述が「b・d」となる組み合わせを選びます。
選択肢別の誤答解説
記述a
× 石けんとの混合によって殺菌消毒効果が高まる → ○ 石けんとの混合によって殺菌消毒効果が低下する
ベンザルコニウム塩化物は、陽性界面活性成分です。石けんと混ざると効果が低下するため、石けんで洗った後に使う場合は、石けんを十分に洗い流します。
記述b
正しい記述です。創傷部(そうしょうぶ)に殺菌消毒薬を繰り返し使うと、皮膚常在菌が殺菌されることがあります。また、殺菌消毒成分が組織の修復を妨げ、治りにくくなったり、状態を悪化させたりする場合があります。
記述c
× 結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない → ○ 結核菌やウイルスにも殺菌消毒作用を示す
ヨウ素系殺菌消毒成分は、一般細菌類や真菌類(しんきんるい)だけでなく、結核菌やウイルスにも作用します。「作用はない」とする部分が誤りです。
記述d
正しい記述です。アクリノールは比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい成分です。ただし、一般細菌類の一部に作用する成分であり、真菌・結核菌・ウイルスには効果がありません。
組み合わせの確認
- 選択肢1「a・b」:誤りのaを含み、正しいdを含みません。
- 選択肢2「a・c」:誤りのa・cを含み、正しいb・dを含みません。
- 選択肢3「b・c」:誤りのcを含み、正しいdを含みません。
- 選択肢5「c・d」:誤りのcを含み、正しいbを含みません。
よくある誤解
- ベンザルコニウム塩化物を「界面活性成分だから、石けんと一緒に使うと効果が高まる」と考えがちです。手引きでは、石けんとの混合で効果が低下するとされています。
- 「殺菌消毒薬は、傷に使うほど治りやすい」と考えがちです。繰り返し使うと、皮膚常在菌や組織修復への影響から、かえって治りにくくなることがあります。
- 「ヨウ素系は細菌や真菌にだけ作用する」と範囲を狭く覚えがちです。結核菌やウイルスへの作用も押さえます。
補足コラム
殺菌消毒薬の効果は、成分の種類や濃度だけでなく、温度、作用させる時間、対象物の汚れ、微生物の種類や状態によっても異なります。「殺菌消毒薬なら、どの微生物にも同じように効く」とは限りません。
FAQ
「殺菌」と「滅菌」は同じ意味ですか?
同じではありません。殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らす処置です。滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅または除去することです。
同じではありません。殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らす処置です。滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅または除去することです。
アクリノールは、どの微生物にも効果がありますか?
いいえ。一般細菌類の一部に作用しますが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がないとされています。
いいえ。一般細菌類の一部に作用しますが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がないとされています。
関連キーワード: ベンザルコニウム塩化物、石けんとの混合、皮膚常在菌、創傷部、ヨウ素系殺菌消毒成分、アクリノール

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