登録販売者 2025年 中国・四国 問90
問題文
外皮用薬及びその配合成分に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a みずむし、たむし等又は化膿している患部の痒みや発赤などの皮膚症状を抑えることを目的として、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酪酸エステルが用いられる。
b 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏が適すとされ、皮膚が厚く角質化している部分には、液剤が適している。
c ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL中 0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。
d にきび、吹き出物は、最も一般的に生じる化膿性皮膚疾患であり、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類の一種が皮膚に寄生することによって起こる疾患である。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(b、c)(正解)
4:(b、d)
5:(c、d)
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外皮用薬の剤形と成分【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:湿潤した患部には軟膏、厚く角質化した部分には液剤。ステロイド性抗炎症成分は感染している患部に使わず、一定量を超える製品は長期連用を避けます。
3は、bとcの組み合わせです。aとdは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和7年4月一部改訂)」第3章「主な医薬品とその作用」の、外皮用薬の剤形選択、ステロイド性抗炎症成分、にきび・みずむし等の説明です。
解法ステップ
- bの「じゅくじゅくと湿潤」と「軟膏」の組み合わせを確認します。湿潤している患部には軟膏が適し、厚く角質化した部分には液剤が適します。
- cの「コルチゾンに換算して」「0.025mgを超えて」に注目します。この量を超える製品では、特に長期連用を避けます。
- aの「みずむし、たむし等又は化膿している患部」を確認します。ステロイド性抗炎症成分は、これらの患部では使用を避けるため、aは誤りです。
- dでは「にきび」と「皮膚糸状菌」の結び付けに注目します。皮膚糸状菌が起こす代表的な疾患はみずむし・たむし等であり、にきびの原因とは異なります。
選択肢別の誤答解説
a
×(みずむし・たむし等又は化膿している患部に用いる)→ ○(これらの患部では使用を避ける)
ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酪酸エステルは、ステロイド性抗炎症成分です。炎症を抑える一方、患部の免疫機能を低下させる作用もあります。そのため、みずむし・たむしなどの白癬(はくせん)症や、化膿(かのう)している患部では、症状を悪化させるおそれがあります。
b
正しい記述です。じゅくじゅくと湿潤(しつじゅん)している患部には軟膏が適します。一方、液剤は有効成分が浸透しやすい反面、患部への刺激が強く、皮膚が厚く角質化した部分に適します。
c
正しい記述です。ステロイド性抗炎症成分の量をコルチゾンに換算し、1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要があります。「コルチゾンに換算」は、成分量をそのまま比べるのではなく、コルチゾンに換算した量で基準を確認する表現です。
d
×(にきびの原因を皮膚糸状菌とする)→ ○(にきび・吹き出物は、皮膚常在菌であるにきび桿菌(かんきん)などが関係する化膿性皮膚疾患)
にきび・吹き出物は、皮膚に細菌が感染して化膿する皮膚疾患です。一方、皮膚糸状菌は真菌(しんきん)の一種で、みずむし・たむし等を起こします。dは、にきびの説明に、みずむし・たむし等の原因を結び付けている点が誤りです。
組み合わせの照合
- 1(a、b):aを含み、正しいcを含まないため誤りです。
- 2(a、c):aを含み、正しいbを含まないため誤りです。
- 4(b、d):dを含み、正しいcを含まないため誤りです。
- 5(c、d):dを含み、正しいbを含まないため誤りです。
- 3(b、c):正しいbとcの組み合わせです。
よくある誤解
- 「炎症を抑える成分だから、赤みやかゆみがあれば使える」と考えがちです。ステロイド性抗炎症成分は、みずむし・たむしや化膿している患部では使用を避けます。
- 「にきびも、みずむしも皮膚の病気だから、原因も同じ」と混同しがちです。にきびは細菌が関係する化膿性皮膚疾患、みずむし・たむし等は真菌による感染症です。
- 「液剤は浸透しやすいので、どの患部にも適する」と考えるのは誤りです。液剤は刺激が強く、剤形は患部の状態に合わせて見分けます。
補足コラム
外皮用薬の剤形は、患部の状態とセットで覚えると整理しやすくなります。
- じゅくじゅくと湿潤している患部:軟膏
- 皮膚が厚く角質化している部分:液剤
- 液剤の特徴:有効成分が浸透しやすいが、患部への刺激が強い
また、ステロイド性抗炎症成分は、皮膚の一部分に生じた一時的な皮膚症状の緩和を目的とするものです。広範囲の皮膚症状や、慢性的な湿疹・皮膚炎を対象とするものではありません。
FAQ
皮膚症状が湿疹か、皮膚糸状菌による感染か分からない場合、抗真菌成分を使ってよいですか?
手引きでは、原因がはっきりしない場合に抗真菌成分配合の医薬品を使用することは適当でないとされています。症状については、薬剤師や医師に相談してください。
ステロイド性抗炎症成分は、外用薬なら広い範囲に使えますか?
外皮用薬のステロイド性抗炎症成分は、広範囲に生じた皮膚症状を対象とするものではありません。使用目的や注意点を、ほかのステロイド性抗炎症成分の問題でも確認しましょう。
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