登録販売者 2025年 奈良・関西広域連合・福井 問18
問題文
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b サリドマイドは、催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合された。
c サリドマイドは副作用として血管新生を促進する作用があったため、胎児に先天異常が発生した。
d サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、世界保健機関(WHO)加盟国を中心に、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られた。
選択肢
1:a:誤、b:正、c:誤、d:正
2:a:誤、b:正、c:正、d:誤
3:a:正、b:誤、c:正、d:正
4:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
5:a:正、b:正、c:誤、d:正(正解)
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サリドマイド薬害事件【登録販売者解説】
正解の理由
サリドマイドは鎮静作用を目的に胃腸薬にも配合され、血管新生を妨げる作用が胎児の先天異常につながりました。
正しい組合せは5で、aは正、bは正、cは誤、dは正です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」の第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の「薬害の歴史」です。
解法ステップ
- aの「妊娠中の女性が使用」「出生児に四肢欠損、耳の障害等」を確認します。手引きにあるサリドマイド訴訟の説明と一致します。
- bの「催眠鎮静成分」「鎮静作用を目的に胃腸薬にも配合」は、どちらも手引きの記述と一致します。
- cは「血管新生を促進」に注目します。手引きでは反対に「血管新生を妨げる」とされているため、誤りです。
- dの「WHO加盟国を中心に、副作用情報の収集体制を整備」は手引きの説明と一致します。a・b・dが正しく、cが誤りとなる組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
- a 正しいです。 サリドマイド製剤を妊娠中の女性が使用し、出生児に四肢欠損(ししかけっそん)や耳の障害などの先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟です。サリドマイド胎芽症(たいがしょう)とも呼ばれます。aを誤りとする組合せは、aの正誤が違います。
- b 正しいです。 サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、鎮静作用を目的に胃腸薬にも配合されました。この記述を誤りとする組合せは、bの正誤が違います。
- c 誤りです。
×「血管新生を促進する」→ ○「血管新生を妨げる」
血管新生(けっかんしんせい)は、新しい血管がつくられることです。これが妨げられると胎児の器官が十分に成長せず、先天異常につながることがあります。cを正しいとする組合せは、cの正誤が違います。 - d 正しいです。 サリドマイド薬害は日本だけでなく世界的な問題となり、WHO加盟国を中心に各国で副作用情報を集める体制の整備が図られました。dを誤りとする組合せは、dの正誤が違います。
正しい組合せに沿って各組合せの違いを確認すると、選択肢1はa、選択肢2はa・c・d、選択肢3はb・c、選択肢4はa・b・c・dの正誤が正しい組合せと異なります。すべての記述が一致するのは5です。
よくある誤解
- 「促進」と「妨げる」の取り違えに注意します。サリドマイドによる先天異常の説明では、血管新生を「妨げる」が正しい表現です。
- 胃腸薬への配合を見落とすことがあります。サリドマイドは鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていました。
- 薬害事件の説明と、その後の副作用情報収集体制の整備は、別々の記述として出題されることがあります。事件の影響まで押さえましょう。
補足コラム
手引きでは、サリドマイドの光学異性体(こうがくいせいたい)のうち、S体には血管新生を妨げる作用があり、R体には鎮静作用があるとされています。ただし、体内でR体とS体が相互に転換するため、R体だけを分離して製剤化しても催奇形性(さいきけいせい)は避けられないとされています。
FAQ
Q. WHO加盟国による副作用情報の収集体制は、サリドマイド薬害とどう結びついていますか?
A. 薬害を契機に医薬品の安全性を世界共通の課題として扱う気運が高まり、各国が副作用情報を収集・評価する体制の確立につながりました。
A. 薬害を契機に医薬品の安全性を世界共通の課題として扱う気運が高まり、各国が副作用情報を収集・評価する体制の確立につながりました。
関連キーワード: サリドマイド、サリドマイド訴訟、血管新生、薬害の歴史、WHO国際医薬品モニタリング制度

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