登録販売者 2025年 奈良・関西広域連合・福井 問39
問題文
貧血及び貧血用薬(鉄製剤)の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 貧血のうち鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみである。
b 銅は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で、硫酸銅が配合されている場合がある。
c ビタミン成分では、ヘモグロビン産生に必要なビタミンB6や、正常な赤血球の形成に働くビタミンB12や葉酸などが配合されている場合がある。
d 鉄製剤を服用すると便が黒くなることがあるが、服用前から便が黒い場合は、貧血の原因として消化管内で出血している場合もあるため、服用前の便の状況との対比が必要である。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正(正解)
3:a:正、b:正、c:誤、d:誤
4:a:誤、b:正、c:正、d:正
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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鉄製剤の配合成分と注意点【登録販売者解説】
正解の理由
鉄製剤は鉄欠乏性貧血に用い、配合成分では銅とマンガンの役割を取り違えないことが要点です。
正しい組合せは2です。記述は a:正、b:誤、c:正、d:正 です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和7年4月一部改訂)」の**第3章「主な医薬品とその作用」**にある、貧血用薬(鉄製剤)の効能、配合成分、副作用・受診勧奨に関する内容です。
解法ステップ
- aの「のみ」に注目します。鉄製剤で改善できる貧血の種類を確認します。
- bは「糖質・脂質・タンパク質の代謝をする酵素」「エネルギー合成」という語句に注目し、対応する金属成分を見分けます。
- cはビタミンB6・B12・葉酸の役割、dは「服用前から便が黒い場合」の注意を確認します。
- a・c・dが正しい組合せを選びます。bが誤りなので、選択肢を絞れます。
選択肢別の誤答解説
a
正しい記述です。 鉄製剤は、不足している鉄分を補って造血(血液をつくること)の回復を図る薬です。そのため、鉄製剤で改善できるのは、貧血のうち鉄欠乏性貧血のみです。
「鉄が不足している貧血」と「貧血全般」を混同しないようにしましょう。
b
誤りの記述です。
× 銅(糖質・脂質・タンパク質の代謝に働く酵素の構成物質)→ ○ マンガン
× 硫酸銅(エネルギー合成を促進する目的)→ ○ 硫酸マンガン
× 硫酸銅(エネルギー合成を促進する目的)→ ○ 硫酸マンガン
銅は、鉄の代謝や輸送に関わり、補充した鉄を使ったヘモグロビンの産生を助ける目的で配合される場合があります。一方、糖質・脂質・タンパク質の代謝に働く酵素の構成物質で、エネルギー合成を促進する目的で配合されるのはマンガンです。
c
正しい記述です。 ビタミンB6はヘモグロビン産生に必要です。ビタミンB12と葉酸は、正常な赤血球の形成に働きます。これらのビタミン成分が貧血用薬に配合される場合があります。
d
正しい記述です。 鉄製剤を服用すると便が黒くなることがあります。一方、服用前から便が黒い場合は、消化管(食べ物が通る胃や腸など)での出血が貧血の原因となっている可能性もあります。そのため、服用前の便の状態と比べることが大切です。
組合せの照合
- 選択肢1は、a・cを正しい、bを誤りとしていますが、dを誤りとしているため不適切です。
- 選択肢3は、aは正しい一方、bを正しい、c・dを誤りとしているため不適切です。
- 選択肢4は、aを誤り、bを正しいとしているため不適切です。c・dは正しいとしています。
- 選択肢5は、aを誤り、bを正しい、cを誤りとしているため不適切です。dは正しいとしています。
よくある誤解
-
「のみ」を見落とし、鉄製剤は貧血全般に使えると思う
鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみです。 -
銅とマンガンの役割を入れ替える
銅は鉄の代謝・輸送やヘモグロビン産生の補助、マンガンは代謝に働く酵素やエネルギー合成に関係します。 -
鉄製剤を飲んでから便が黒くなった場合と、飲む前から黒い場合を同じに考える
服用前から黒い場合は、消化管内の出血が関係している可能性にも注意します。
補足コラム
ビタミンCは、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つ目的で、鉄製剤に配合される場合があります。鉄の補充を助ける成分として、ビタミンB群や葉酸とは別の役割を覚えておきましょう。
FAQ
硫酸コバルトは、どのような目的で配合されますか?
コバルトはビタミンB12の構成成分です。硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で配合される場合があります。
関連キーワード: 貧血用薬、鉄欠乏性貧血、硫酸銅、硫酸マンガン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、便の黒色化

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