登録販売者 2025年 奈良・関西広域連合・福井 問73
問題文
薬の代謝、排泄に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、全身循環に入る前にリンパ管を経由して肝臓を通過する。
b 血漿タンパク質と結合した有効成分は、腎臓で濾過されないため、長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
c 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。
d 有効成分は、未変化体のままで、あるいは代謝物として体外へ排出されるが、肺から呼気中へ排出されることはない。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:正
2:a:正、b:正、c:誤、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤(正解)
4:a:誤、b:正、c:誤、d:正
5:a:誤、b:誤、c:正、d:誤
🔒 解説は解答すると表示されます
薬の代謝・排泄【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:消化管から吸収された成分は門脈を通って肝臓へ運ばれ、代謝・排泄には複数の経路があります。
3が正解です。aは誤り、bとcは正しく、dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「人体の働きと医薬品」の「薬の代謝、排泄」です。
解法ステップ
- aは「リンパ管」という経路に注目します。消化管で吸収された成分が肝臓へ向かう経路と合っているかを確認します。
- bは「血漿タンパク質と結合した成分」と「腎臓で濾過されない」のつながりを確認します。
- cは「肝初回通過効果(かんしょかいつうかこうか)」の説明として、肝臓で代謝された分だけ全身循環に移行する量が減るかを見ます。
- dは「肺から呼気中へ排出されることはない」という断定に注目します。排泄経路が尿だけかどうかを確認します。
選択肢別の誤答解説
-
a 誤り
× リンパ管を経由して肝臓を通過する → ○ 消化管の毛細血管から血液中へ移行し、門脈(もんみゃく)を経由して肝臓を通過する
「リンパ管」と「門脈」の取り違えです。門脈は、消化管から肝臓へ血液を運ぶ血管です。 -
b 正しい
血漿タンパク質と結合して複合体を形成した有効成分は、腎臓で濾過(ろか)されません。そのため循環血液中に長く留まり、作用が持続する原因となります。 -
c 正しい
肝初回通過効果とは、消化管で吸収された有効成分が全身循環に入る前に肝臓で代謝を受け、その分だけ全身循環へ移行する量が少なくなることです。 -
d 誤り
× 肺から呼気中へ排出されることはない → ○ 肺から呼気中へ排出されることがある
有効成分は、未変化体または代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、肺から呼気中へ排出されることがあります。
組合せの照合
- 選択肢1は、a・c・dの正誤が異なります。
- 選択肢2は、a・cの正誤が異なります。
- 選択肢4は、c・dの正誤が異なります。
- 選択肢5は、bの正誤が異なります。
- 3は、aが誤り、b・cが正しく、dが誤りという組合せです。
よくある誤解
- 「消化管から吸収された成分はリンパ管を通る」と思い込むこと:この記述では、消化管の毛細血管から血液へ移行し、門脈を通って肝臓へ向かう流れがポイントです。
- 「排泄は尿だけ」と考えること:尿のほか、胆汁や呼気も排出経路になります。
- 「肝初回通過効果」を、肝臓で代謝される前に全身へ運ばれる現象と取り違えること:肝臓で代謝を受けた分、全身循環へ移行する量が少なくなる現象です。
補足コラム
有効成分の排出経路は、腎臓から尿中、肝臓から胆汁中、肺から呼気中です。汗や母乳中へ排出されることもありますが、体内からの消失経路としての意義は小さいとされています。ただし、母乳中への移行は乳児への副作用という点で軽視できません。
FAQ
代謝と排泄は、どう違いますか?
代謝は、体内で有効成分の構造が変化することです。排泄は、有効成分や代謝物が尿などを通じて体外へ出ることです。
代謝は、体内で有効成分の構造が変化することです。排泄は、有効成分や代謝物が尿などを通じて体外へ出ることです。
関連キーワード: 門脈、肝初回通過効果、血漿タンパク質、腎臓での濾過、薬の排泄経路

\ せっかくなら /
登録販売者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!
