登録販売者 2026年 北海道・東北 問69
問題文
医薬品の吸収に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 有効成分の消化管からの吸収量や吸収速度は、消化管内容物によって影響を受けない。
b 全身作用を目的とした坐剤は、肛門から挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものである。
c 眼の粘膜に適用する点眼薬は、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがある。
d 咽頭の粘膜に適用する含嗽薬では、咽頭粘膜からの吸収が原因となる全身的な副作用が起こりやすい。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:誤、d:正
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:誤、b:正、c:正、d:誤(正解)
4:a:正、b:正、c:誤、d:誤
5:a:誤、b:正、c:正、d:正
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医薬品の吸収経路【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:消化管内容物は吸収に影響し、坐剤や点眼薬の成分も全身に影響することがあります。
正しい組み合わせは3です。記述は、aが誤、bが正、cが正、dが誤です。根拠は『試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)』第2章「人体の働きと医薬品」の「薬の生体内運命―有効成分の吸収」です。
解法ステップ
- aの「影響を受けない」に注目します。手引きでは、吸収量や吸収速度は消化管内容物などの影響を受けるとしています。
- bは、全身作用を目的とする坐剤(ざざい)が、直腸(ちょくちょう)の粘膜(ねんまく)から成分を吸収させる説明かを確認します。
- cは、点眼薬の成分が眼以外にも到達することがあるかを見ます。
- dは「起こりやすい」という断定を確認します。含嗽薬(うがい薬)では、吸収が原因の全身的な副作用は少ないとされています。
選択肢別の誤答解説
記述 a
×「消化管内容物によって影響を受けない」→ ○「消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける」
有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管の中にある食べ物などの内容物や、他の医薬品の作用によって変わることがあります。そのため、食事の時間と服用時期との関係が、医薬品の用法に定められている場合があります。
記述 b
全身作用を目的とする坐剤は、肛門から挿入すると直腸内で溶け、有効成分が薄い直腸内壁の粘膜から吸収されます。吸収された成分は循環血液中に入り、全身に作用します。この説明は正しいです。
記述 c
点眼薬の成分は、鼻涙管(びるいかん:涙を鼻へ流す通り道)を通って鼻の粘膜から吸収されることがあります。そのため、眼以外の部位に到達し、副作用を起こすことがあります。この説明は正しいです。
記述 d
×「吸収が原因の全身的な副作用が起こりやすい」→ ○「吸収が原因の全身的な副作用が起こることは少ない」
含嗽薬の多くは、唾液や粘液とともに食道へ流れてしまうため、咽頭(いんとう:のどの奥)の粘膜から吸収されて起こる全身的な副作用は少ないとされています。ただし、アレルギー反応は微量の成分でも起こることがあり、点眼薬や含嗽薬でも生じる場合があります。
組み合わせの照合
- 選択肢1は、a・b・c・dのすべてが記述の正誤と異なります。
- 選択肢2は、aとbの正誤が記述と異なります。
- 選択肢4は、aとcの正誤が記述と異なります。
- 選択肢5は、dの正誤が記述と異なります。
よくある誤解
- 「局所に使う薬なら、全身への影響はない」と考えることがあります。局所作用を目的とする薬でも、成分が吸収されて全身に影響する場合があります。
- 含嗽薬は、咽頭の粘膜から成分が吸収されるため全身性の副作用が起こりやすい、と読み替えないようにしましょう。手引きが述べているのは「起こることは少ない」です。ただし、アレルギー反応は別に起こる可能性があります。
- 「点眼薬は眼に使うものだから、眼以外に影響しない」という決めつけにも注意が必要です。
補足コラム
薬を使う場所と、成分が作用する場所は必ずしも同じではありません。坐剤は直腸から吸収させて全身作用を得るものがあり、点眼薬は鼻涙管を通じて眼以外にも成分が届くことがあります。薬の目的が局所作用か全身作用かだけでなく、成分が吸収される経路にも注目しましょう。
FAQ
Q. 含嗽薬を使った後に、アレルギー性の副作用が起こることはありますか?
A. あります。吸収が原因の全身的な副作用は少ないとされていますが、アレルギー反応は微量の成分でも起こることがあります。
A. あります。吸収が原因の全身的な副作用は少ないとされていますが、アレルギー反応は微量の成分でも起こることがあります。
Q. 点眼薬の成分が鼻へ流れるのを防ぐ方法はありますか?
A. 手引きでは、場合によっては点眼時に目頭の鼻涙管の部分を押さえ、成分が鼻へ流れるのを防ぐ方法が示されています。
A. 手引きでは、場合によっては点眼時に目頭の鼻涙管の部分を押さえ、成分が鼻へ流れるのを防ぐ方法が示されています。
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