登録販売者 2026年 奈良・関西広域連合・福井 問35
問題文
止瀉薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a タンニン酸アルブミンは、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
b ベルベリン塩化物は、収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持つとされる。
c 次没食子酸ビスマスは、抗菌作用のほか抗炎症作用も併せ持つとされる。
d ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状に用いられることを目的としている。
選択肢
1:a:誤、b:正、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:誤
3:a:正、b:正、c:誤、d:正
4:a:正、b:誤、c:誤、d:誤(正解)
5:a:誤、b:誤、c:誤、d:誤
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止瀉薬の配合成分【登録販売者解説】
正解の理由
タンニン酸アルブミンは牛乳アレルギーに注意、ベルベリンは抗菌・抗炎症、ビスマスは収斂・有毒物質の分解、ロペラミドは食あたり・水あたりには用いません。
正しい組合せは4です。各記述は、aが正、b・c・dが誤りです。根拠は、試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)第3章「主な医薬品とその作用」の止瀉薬の配合成分に関する項目です。以後は「手引き」とします。
解法ステップ
- aの「牛乳にアレルギー」という語に注目します。タンニン酸アルブミンのアルブミンは、牛乳のタンパク質であるカゼインから精製されます。
- bは「収斂作用」「有毒物質を分解」という組合せを確認します。手引きでは、この作用はベルベリンではなく、ビスマスを含む成分に関する記述です。
- cの「抗菌作用・抗炎症作用」と、dの「食あたり・水あたりに用いる」が適切かを確認します。いずれも記述の成分・目的と手引きの説明が一致しません。
選択肢別の誤答解説
a 正しい記述です。
タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質のカゼインから精製された成分です。そのため、牛乳にアレルギーがある人は使用を避ける必要があります。
タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質のカゼインから精製された成分です。そのため、牛乳にアレルギーがある人は使用を避ける必要があります。
b 誤った記述です。
× ベルベリン塩化物の「収斂作用・腸内の有毒物質を分解」→ ○ ベルベリンの「抗菌作用・抗炎症作用」
× ベルベリン塩化物の「収斂作用・腸内の有毒物質を分解」→ ○ ベルベリンの「抗菌作用・抗炎症作用」
腸内で発生した有毒物質を分解する作用は、ビスマスを含む成分について示される作用です。ベルベリンは、生薬のオウバクやオウレンに含まれる物質で、抗菌作用のほか、抗炎症作用もあるとされます。
c 誤った記述です。
× 次没食子酸ビスマス(じもっしょくしさんビスマス)の「抗菌作用・抗炎症作用」→ ○ ビスマスを含む成分の「収斂作用・腸内で発生した有毒物質を分解する作用」
× 次没食子酸ビスマス(じもっしょくしさんビスマス)の「抗菌作用・抗炎症作用」→ ○ ビスマスを含む成分の「収斂作用・腸内で発生した有毒物質を分解する作用」
抗菌作用や抗炎症作用が期待されるものとして手引きに挙げられているのは、オウバクやオウレンです。ビスマスを含む成分の作用と取り違えないようにしましょう。
d 誤った記述です。
× ロペラミド塩酸塩の「食あたり・水あたりによる下痢に用いる」→ ○ 「食べすぎ・飲みすぎ、寝冷えによる下痢に用いる」
× ロペラミド塩酸塩の「食あたり・水あたりによる下痢に用いる」→ ○ 「食べすぎ・飲みすぎ、寝冷えによる下痢に用いる」
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢を対象としていません。発熱を伴う下痢、血便、粘液便が続く場合も、安易な使用を避ける必要があります。
組合せの照合
- 1は、a・b・cの正誤が異なります。dは一致しています。
- 2は、cを「正」としている点が異なります。a・b・dは一致しています。
- 3は、b・dを「正」としている点が異なります。a・cは一致しています。
- 5は、aを「誤」としている点が異なります。b・c・dは一致しています。
よくある誤解
- 作用する成分の取り違えに注意しましょう。「抗菌・抗炎症」はベルベリン、「有毒物質を分解」はビスマスを含む成分に結びつけます。
- 「止瀉薬だから、どの下痢にも使える」と考えるのは誤りです。ロペラミド塩酸塩は、食あたり・水あたりによる下痢を対象としていません。
- 「牛乳由来の成分」という情報を見落としやすいです。タンニン酸アルブミンのアルブミンは、牛乳タンパク質のカゼインから精製されます。
補足コラム
3つの成分の特徴を並べて整理しましょう。
- タンニン酸アルブミン:牛乳アレルギーがある人は使用を避けます。
- ベルベリン:抗菌作用・抗炎症作用があります。
- ビスマスを含む成分:収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用があるとされます。
FAQ
収斂成分を主体とする止瀉薬が、細菌性の下痢や食中毒で注意されるのはなぜですか?
腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがあるためです。急性の激しい下痢や、腹痛・腹部膨満・吐きけなどを伴う場合は、安易な使用を避けることが望ましいとされています。
腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがあるためです。急性の激しい下痢や、腹痛・腹部膨満・吐きけなどを伴う場合は、安易な使用を避けることが望ましいとされています。
関連キーワード: 止瀉薬、タンニン酸アルブミン、ベルベリン、次没食子酸ビスマス、ロペラミド塩酸塩、収斂作用

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