登録販売者 2026年 奈良・関西広域連合・福井 問58
問題文
エタノール及びイソプロパノールの殺菌消毒作用等に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a アルコール分が微生物のタンパク質を変性させることによって、殺菌消毒作用を示す。
b 結核菌に対して殺菌消毒作用を示すが、真菌類に対しては殺菌消毒作用を示さない。
c エタノールのウイルスに対する不活性効果は、イソプロパノールよりも低い。
d 脱脂による肌荒れを起こしやすく、皮膚へ繰り返して使用する場合には、適さない。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:誤、d:正(正解)
3:a:誤、b:正、c:正、d:正
4:a:誤、b:正、c:誤、d:正
5:a:誤、b:誤、c:正、d:正
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アルコール系消毒成分【登録販売者解説】
正解の理由
アルコール分はタンパク質を変性させて微生物に作用し、イソプロパノールはウイルスへの不活性効果がエタノールより低い成分です。皮膚への繰り返し使用にも適しません。
2は、aが正、bが誤、cが誤、dが正の組合せです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の殺菌消毒成分の項です。以下では「手引き」とします。
解法ステップ
- aの「タンパク質を変性させる」は、アルコールの殺菌消毒作用のしくみと一致します。
- bの「真菌類に対して作用を示さない」に注目します。手引きでは真菌類にも作用するとされているため、bは誤りです。
- cは、エタノールとイソプロパノールのウイルスへの効果の比較が逆になっています。
- dの「脱脂による肌荒れ」「繰り返し使用には適さない」は手引きの説明と合うため、a正・b誤・c誤・d正の組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
a:正しいです。
アルコール分は微生物のタンパク質を変性させ、その作用を失わせます。ここでいう「変性」は、タンパク質の性質や働きが変わることです。 -
b:誤りです。
×「真菌類に対しては殺菌消毒作用を示さない」→ ○「真菌類に対する殺菌消毒作用を示す」
手引きでは、エタノールとイソプロパノールは結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示すとされています。 -
c:誤りです。
×「エタノールのウイルスに対する不活性効果は、イソプロパノールよりも低い」→ ○「イソプロパノールでは、ウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低い」
「どちらの効果が低いか」という比較の向きが逆です。 -
d:正しいです。
アルコールは脱脂による肌荒れを起こしやすいため、皮膚へ繰り返し使用する場合には適しません。
組合せの違いも確認します。
- 選択肢1は、cを正、dを誤としている点が違います。
- 選択肢3は、aを誤、bを正、cを正としている点が違います。
- 選択肢4は、aを誤、bを正としている点が違います。
- 選択肢5は、aを誤、cを正としている点が違います。
よくある誤解
- **bの「真菌類に対しては作用を示さない」**は、作用する微生物の範囲を一部だけ外す書き換えです。アルコールは真菌類にも作用します。
- cの比較表現は、成分名と「低い」の主語を入れ替えたひっかけです。「低い」のはイソプロパノールのウイルスへの不活性効果です。
- **dの「適さない」**を「使えない」と読み替えないようにしましょう。ここで問われているのは、皮膚への繰り返し使用に適さないという点です。
補足コラム
エタノールとイソプロパノールは、どちらもアルコール分が微生物のタンパク質を変性させて作用します。殺菌消毒作用の対象は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスです。ただし、ウイルスへの不活性効果はイソプロパノールのほうがエタノールより低いという違いがあります。
FAQ
Q. 消毒用エタノールは、創傷面にも使われることがありますか?
A. 手引きでは創傷面の殺菌・消毒に用いられることがあるとされています。ただし、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して貼り付けることは避けるとされています。
A. 手引きでは創傷面の殺菌・消毒に用いられることがあるとされています。ただし、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して貼り付けることは避けるとされています。
関連キーワード: エタノール、イソプロパノール、殺菌消毒作用、タンパク質の変性、真菌類、ウイルスへの不活性効果、脱脂による肌荒れ

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