戦国登販登録販売者試験 過去問
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登録販売者 2026年 奈良・関西広域連合・福井 問72


問題文

薬の吸収に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 内服薬の有効成分によっては、消化管の粘膜に障害を起こすことがあるため、食事の時間と服用時期との関係が、各医薬品の用法に定められている。 b 一般に、内服薬の有効成分の小腸からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。 c 皮膚に適用する医薬品(塗り薬、貼り薬等)は、皮膚表面から循環血液中に移行する量が少ないため、適用部位以外にアレルギー性の副作用が現れることはない。 d 坐剤は、有効成分が容易に循環血液中に入るため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる。

選択肢

1:a:誤、b:正、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:誤、b:正、c:誤、d:正
4:a:正、b:誤、c:正、d:誤
5:a:正、b:正、c:誤、d:正(正解)

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薬の吸収【登録販売者解説】

正解の理由

内服薬は主に小腸から受動的に吸収され、坐剤は直腸から速やかに全身へ移行します。一方、皮膚に使う薬でも適用部位以外にアレルギー反応が現れることがあります。
正しい組合せは5です。a・b・dは正しく、cは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「人体の働きと医薬品」の「有効成分の吸収」「粘膜からの吸収」「皮膚吸収」です。

解法ステップ

  1. bの「濃度の高い方から低い方へ」「受動的に拡散」に注目します。これは消化管からの吸収についての基本的な説明です。
  2. cの「アレルギー性の副作用が現れることはない」という断定に注目します。皮膚から血液へ移る量が少なくても、アレルギー反応が起こらないとは限りません。
  3. dの「坐剤」「直腸内壁の粘膜」「循環血液中」という流れを確認します。直腸から吸収される有効成分は、全身作用が速やかに現れることがあります。
  4. aは、有効成分が消化管の粘膜に障害を起こすことがあるため、食事と服用時期の関係が用法に定められている点を見ます。

選択肢別の誤答解説

記述a:正しい

有効成分によっては、消化管の粘膜(消化管の内側を覆う組織)に障害を起こすことがあります。そのため、食事の時間と服用時期との関係が、医薬品ごとの用法に定められている場合があります。

記述b:正しい

一般に、消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ有効成分が移る現象です。これを「受動的拡散」といいます。特別な力で押し出すのではなく、濃度の差に沿って広がるイメージです。

記述c:誤り

×「適用部位以外にアレルギー性の副作用が現れることはない」→ ○「適用部位以外にも現れることがある」
皮膚に適用する薬は、通常、皮膚表面から循環血液中へ移行する量が比較的少ないものです。しかし、アレルギー性の副作用は別の部位にも現れることがあります。「移行量が少ない」ことを「副作用が起こらない」と置き換えないようにしましょう。

記述d:正しい

坐剤(ざざい)は肛門から挿入し、直腸(ちょくちょう)内で溶けて有効成分を粘膜から吸収させます。直腸の粘膜の下には静脈が豊富にあるため、有効成分が循環血液中に入りやすく、内服の場合より全身作用が速やかに現れることがあります。

組合せの照合

選択肢各記述の組合せ正解の組合せとの違い
1a誤・b正・c正・d誤aは正、cは誤、dは正なので、a・c・dが異なります。
2a正・b誤・c正・d正bは正、cは誤なので、b・cが異なります。
3a誤・b正・c誤・d正aは正なので、aが異なります。
4a正・b誤・c正・d誤bは正、cは誤、dは正なので、b・c・dが異なります。
5a正・b正・c誤・d正a・b・c・dの正誤が一致します。

よくある誤解

  • 「皮膚から血液中に移る量が少ない」を、「全身性の副作用やアレルギーは起こらない」と読み替えてしまうことがあります。
  • 「現れることはない」のような強い断定は、手引きの「現れることがある」と食い違わないか確認しましょう。
  • 坐剤は肛門から使う薬ですが、作用が肛門の周辺だけとは限りません。全身作用を目的とするものもあります。

補足コラム

薬の作用には、適用した場所で働く「局所作用」と、血液に入って全身に広がって働く「全身作用」があります。皮膚に使う薬は局所作用を目的とするものが多い一方、坐剤や経皮吸収製剤には、適用部位から吸収された成分による全身作用を目的とするものもあります。

FAQ

Q. 皮膚に使う薬は、使用量が多くても全身作用に関係しませんか?
A. そうとは限りません。手引きでは、適用部位の面積や使用量、使用回数、頻度などによって全身作用が現れることがあるとされています。
Q. 坐剤はすべて全身作用を目的としていますか?
A. 坐剤は全身作用を目的とするものの代表例ですが、医薬品には局所作用を目的とするものもあります。剤形だけで作用の範囲を決めつけないことが大切です。

関連キーワード: 受動的拡散、消化管吸収、坐剤、皮膚吸収、局所作用、全身作用
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