戦国登販登録販売者試験 過去問
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登録販売者 2026年 奈良・関西広域連合・福井 問73


問題文

薬の代謝、排泄に関する記述について、正しいものの組合せを選べ。
a 経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、門脈を経由して肝臓に運ばれ、肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受ける。 b 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。 c 医薬品の有効成分が代謝を受けると、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化したりする。 d 腎機能が低下した人では、正常な人に比べて有効成分の尿中への排泄が早まるため、医薬品の効き目が十分に現れず、副作用も生じにくい。

選択肢

1:(a、b)(正解)
2:(a、c)
3:(b、c)
4:(b、d)
5:(c、d)

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肝初回通過効果と薬物排泄【登録販売者解説】

正解の理由

経口薬は門脈を通って肝臓へ運ばれ、腎機能が低下すると尿中への排泄は遅れます。
正しい組合せは1(a、b)です。a・bは正しく、c・dは誤りです。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「薬の代謝、排泄」です。

解法ステップ

  1. aの「門脈を経由して肝臓に運ばれる」を確認します。経口投与後の成分は、全身循環に入る前に肝臓を通ります。
  2. bの「肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなる」を確認します。これは肝初回通過効果の説明です。
  3. cの「脂溶性」と、dの「排泄が早まる」に注目します。どちらも手引きの説明と合わないため、a・bを含む組合せを選びます。

選択肢別の誤答解説

  • a:正しい
    経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、門脈を通って肝臓へ運ばれます。肝臓には薬を代謝する酵素があり、全身循環に入る前に代謝を受けることがあります。
  • b:正しい
    肝初回通過効果とは、吸収された有効成分の一部が肝臓で代謝されるため、全身循環に移行する量が吸収量より少なくなることです。
  • c:誤り
    ×(脂溶性の物質)→ ○(水溶性の物質)
    代謝によって、体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化することがあります。脂溶性ではなく水溶性とする点が誤りです。
  • d:誤り
    ×(尿中への排泄が早まる)→ ○(尿中への排泄が遅れる)
    腎機能が低下すると、有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。そのため、効き目が過剰に現れたり、副作用が生じやすくなったりすることがあります。
誤答の組合せも確認しましょう。
  • 選択肢2(a、c)は、正しいaを含みますが、誤りのcを含み、正しいbを含みません。
  • 選択肢3(b、c)は、正しいbを含みますが、誤りのcを含み、正しいaを含みません。
  • 選択肢4(b、d)は、正しいbを含みますが、誤りのdを含み、正しいaを含みません。
  • 選択肢5(c、d)は、誤りのc・dを含み、正しいa・bを含みません。

よくある誤解

  • 「脂溶性」と「水溶性」の取り違えに注意してください。排泄されやすい形への変化は、水溶性がポイントです。
  • 腎機能低下の影響を逆に覚える誤りがあります。排泄は早まるのではなく遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。
  • 肝臓で代謝されることと、全身循環に入る量が増えることを混同しないようにしましょう。肝初回通過効果では、全身循環へ移行する量は少なくなります。

補足コラム

代謝は、体内で有効成分が化学的に変化することです。作用を失う場合だけでなく、代謝によって作用が現れる場合もあります。
排泄は、有効成分や代謝物が尿などとともに体外へ出ることです。代謝と排泄は、続けて起こることがありますが、同じ意味ではありません。

FAQ

Q. 肝初回通過効果は、薬が肝臓で完全に分解されるという意味ですか?
A. いいえ。肝臓で代謝を受けた分だけ、全身循環に移行する有効成分の量が少なくなるという意味です。
Q. 代謝を受けた有効成分は、必ず作用を失いますか?
A. 必ずではありません。作用を失う場合のほか、代謝によって作用が現れる場合もあります。

関連キーワード: 肝初回通過効果、門脈、薬物代謝、尿中排泄、水溶性物質
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